クロスジョブ東京に通所して2年と少しが経ちましたがこの度、八王子市内の製薬会社に就職が決まりました。
来月1日からの勤務になるのですが、以前働いていた職場を退職したのが5年前の5月31日でしたので奇しくもちょうど5年ぶりの就労となります。
私は40代半ばなので利用者の中ではかなりの高齢で、以前から勉強も仕事もうまくいかないことに悩んでおり、20年以上前に大学で心理学の講義を受けていた際にたまたま「何をやってもうまくいかないのは脳に何かしらの問題があるのでは?」という考えに至り家族や友人に相談をしてみました。しかし、当時は『大人の発達障害』どころか『発達障害』という言葉自体私自身が知らなかったのはもちろん世間にも浸透していなかったため、「気のせい」あるいは「考えすぎ」の一言で一蹴されてしまいました。最初は自分自身にもそう言い聞かせて様々な職種に挑んでみたのですがやはりうまくいかず、どうしても自分が健常者であることに納得できなかった私は様々な医療機関で相談してみました。ところが精神科医からも家族や友人たちと同じような回答しか返ってこず鬱屈した日々が続き、母がたまたま見ていたテレビ番組で私が発達障害ではないかと考えるようになったのは、私が40歳を迎える数年ほど前のことでした。そして5年前、いろいろな事情が重なり当時働いていた職場を退職したのを機に発達障害の検査を受けたところようやく(グレーではありましたが)発達障害と診断されました。発達障害と診断されて以降すぐ、就職活動を始めたのですが高齢なこともあり、なかなか仕事が見つからず悩んでいた際にハローワークからクロスジョブを紹介されて利用させていただくことに決めました。
クロスジョブに入所したばかりのころはやや自暴自棄になっていましたし、「絶対に『正社員』として『事務職』に就くのだ」という凝り固まった思考をしていたと思います。しかし、職員の方々と何度も話し合ったりさまざまな訓練を受けたり企業見学や施設外訓練などを行っていくうちに『正社員』や『事務職』に対する拘りは薄らいでいき、さまざまな可能性を考えられるようになってきたため今回の就職に繋がったのだと思います。
現在通所されている皆さんもこれから通所される方々もかつての私のように「自分はこれしかできない」とか「絶対にこの職種でなきゃ嫌だ」という『決めつけ』をせず、職員との話し合いや訓練、企業見学や施設外活動などを通して視野を広げられるようになればいずれ必ず自分に合った職場と巡り合えると思うので、焦らず腐らず一歩ずつ前進していただきたいと思います。
KOU