在宅訓練の成果報告 その1

クロスジョブは新型コロナウイルス感染対策のため、現在、在宅訓練を週に何回か実施しております。在宅訓練の課題として読書感想文を書いていただきましたので、そちらをご紹介します!

『心に残る日本の名文、名詩、名歌』三省堂 上野和昭監修
~古今和歌集 紀貫之 を読んで~

日本には古事記や万葉集、現代作家のものまで、思わず口ずさみたくなるような詩や和歌、俳句など心温まる作品がたくさんあります。また、中国の古典である漢詩のなかにも日本人の琴線に触れるような美しい詩がいくつも残されています。
今回はあえて、声に出して読みたい名文の本を手に取り、実際に音読してみることによって日本の心を味わいたいと思いました。

古今和歌集 紀貫之(きのつらゆき)
人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香(か)に にほひ(におい)ける

(歌の意味)そうおっしゃるあなたの気持ちはどうでしょうか?
あなたの心の内は知ることはできませんが、以前泊まったことのあるこの家の梅の花は
昔と変わらぬ香りを放ち、匂っています。

紀貫之は平安中期(868年頃~945年頃)の代表的歌人です。『土佐日記』の作者としても知られています。
移り変わる人の心や世とは反対に、梅の香りだけは昔と変わらぬ香りを放っているというところに、現代の心にも染みるような、深い味わいを感じさせる和歌だと思いました。
新型コロナウィルス感染症が蔓延している今、自分さえよければ、という「利己主義」によって心まで感じなくなってしまうのは、人として本当に恐ろしいことだと思います。
感染症対策に加え、五感を通して味わうことや自然の美しさを感じる心をこれからも大切にしていきたいと思います。                      C.K.